銅板屋根に穴が空いているので直して下さいとのご依頼。
腰葺き屋根の大変良い建物です。
どんなふうに直したか見て下さい。
下の写真を見て解るように、瓦先端の下に穴が空いています。
これは酸性雨の被害によるものです。
40年前までは、銅板で施工すると万年物と言われ、農家造りの建物には良く銅板が使用されていました。
しかし、30年ぐらい前から、酸性雨の被害が報告され、問題になってきました。
銅板は、酸性に弱いのです。下の写真の様に、集中して雨がこぼれ落ちる場所には穴が空いてしまうのです。この現象は日本全国皆同じです。特に神社、仏閣ではその被害は計り知れないものです。
私たちも、銅板本谷に穴が空き、交換を頼まれます。
下の写真は下屋の屋根の銅板葺きが亀裂を起こし切れてしまった状態です。
原因は9m以上の長さのある屋根を一枚板で作成し取り付けてしまったからです。
線路のレールと同じように、夏は材料が伸び、冬は材料が縮みます。この事を考慮に入れアジャスト出来るように、ハゼ組施工をするべきでした。ところがこの屋根を施工した職人は、材料の伸び縮みを考慮しないで一枚板で施工してしまったのです。
従って、長い年月の間に、材料の収縮のしわ寄せが、弱いところに出てしまったのです。
そして切れてしまったのです。
これは施工した職人の判断ミスと勉強不足による結果です。
高いお金を投じても、施工する職人の経験不足が悪い結果をにつながったのです。
しかし、私たちが解っても、お客様には言いずらいのです。
従って黙って直す結果となりました。
切れた場所は大変多くありました。
写真の様に切れた場所に応じて大きさを変え、銅板の中にコーキングを充填しハゼ組してとりつけました。
下の写真は修理が完了したところです。
下屋ばかりではなく、腰屋根の銅板にも有りました。
全部で60カ所以上となりました。
一文字瓦の下の銅板屋根は全部通しで上から再度被せました。
穴が空いていた場所は銅板でカバーする前に防水テープを50㎜角に切り貼り付けました。
こうする事により、新しい銅板が25年後に又、穴が空いても下に貼ってある防水テープで保護されるようにしました。
銅板本谷に穴があいていました。そこで半田付けをおこないました。
右側の写真は同じく穴が空いていたので、下に新しい銅板を差し込んで、上にはコーキングで処理しました。
やはり穴が空いていたので半田付けで処理しました。
また右側の写真は、穴は開いていないのですが、これから空いてしまう恐れがあるので、落ちる場所にコーキングを塗り、穴が空かないようにしました。
銅板の穴あきを修理した南側一階全景の完了写真です。
岸田工業は創業50年以上になります。その間いろいろな仕事に巡り合い、多くのノウハウを蓄えてきました。
銅板工事の出来る職人は数少ないです。理由は銅板工事が無いからです。
現在、自分のお住まいが銅板工事で施工されている建物かどうか確認してください。もし25年以上経過していたら点検が必要です。
その際は岸田工業にお電話下さい。現調費は無料です。安心してください。